叛鬼(59)

【著者】
伊東 潤

【出版社】
講談社文庫

【内容】
好かぬ小僧だ―。関東管領を継いだ上杉顕定を一目見て、景春は思った。腹悪しき主君との軋轢は深まり、やがて叛旗を翻した景春は、下剋上を果たす。長きにわたる戦いの幕が、ここに切って落とされた。対するは、かつて兄と慕った巨人・太田道潅。さらには、駿河で勃興する新世代の雄・北条早雲も動き出す。叛乱に次ぐ叛乱は、新たな時代の創始者たちを呼び覚ましていく―。

【一言書評】
負けても負けても不屈の精神で戦い続けた男、長尾景春。京での応仁の乱よりも早くに戦国時代に入った関東での物語、古河公方と堀越公方との対立、古河公方と関東管領との対立、太田道灌と景春の戦い、享徳の乱、伊勢宗瑞との関わり、永正の乱などが描かれ、少々入り組んでいますが、いつの世も、このような「異能の男」の存在が旧権力を打破して行くのではないか、と思わせる歴史小説です。

ちなみに、ですが、戦国時代の安房国(南房総)を最初に統一するのは安西氏。しかしそれに功績のあった家臣の里見氏に下克上で引き摺り下ろされ、その後安西氏は里見氏の家臣になった、と言う歴史があります。一時的には、ですが南房総に覇を称えたこともあるのですよ、、、

武家列伝_安西氏
http://www2.harimaya.com/sengoku/html/anzai_k.html

 

メニュー