薬理学会理事会報告の報告その4:駆ける!総務委員会

8/5(水)にZOOMによりオンライン開催された2020年度第2回日本薬理学会理事会のご報告。4回目の報告は私が委員長を務める「総務委員会」です。

4/16(木)のZOOMによる第1回拡大常務理事会が開催された際に、私が総務委員長を拝命することが決まり、それを受けて総務委員会のメンバー選考がなされました。
5/1(金)にZOOMにて開催されました今年度第1回理事会にて、総務委員会メンバーが確定し、そこから新体制の総務委員会が立ち上がりました。

基本どの委員会もそうですが、ここでメンバーが確定したら、通常7月に開催される理事会までの間いに1回委員会を開催して、次の理事会で報告を行うのが常です。しかし委員会によっては特に議題とすべきことがなければ開催されない場合もあります。それは委員会毎に事情が違うわけです。

7月の理事会の前に関東と近畿にはそれぞれ関東部会と近畿部会が通常6月に開催されます。
今年は関東は6月6日(土)に第142回関東部会が、6月20日(土)には第137回近畿部会が開催される予定であり、それぞれの部会では学術評議員会が開催され、そこで各種委員会報告がなされることになります。が、ここも通常5月の連休明けに開催される第1回理事会から間が空いていないため、急ぎの用件がない委員会以外は委員会報告は無いのが通例であります。

で、私が委員長を拝命した総務委員会ですが、その所管事項とは
1、本会の諸規則の整備
2、会員管理(名誉会員及び永年会員の推薦,役員,常置委員会委員及び代議員選挙に関わる管
理を含む)
3、COI 委員会,倫理委員会,不服申立て委員会の会務・運営
4、本会の総務関連事項
5、事務局業務及び事務局職員の掌握・管理
となっています。この1番の「諸規則の整備」が能動的な役割を期待されるところかと思います。

そして前期理事会(前総務委員長)からの申し送り事項として
・役員候補者選挙において,地方部会選挙で選出された理事・監事候補者のプロフィール紹介を検討する.
・個人情報保護法の改定に伴い,本会の「個人情報の適正な管理・利用等に関する申合せ」を変更する.
がありました。

実は第2回理事会の際に、審議を頂きたいことが複数あったため、1回の会議は出来るだけ1時間で終わりにしたい!、というモットーの私は、まずは6/6の関東部会(6/20の近畿部会)の前に、顔合わせとやるべきことの確認をしたいと考え、第1回の総務委員会を5月22日から27日までの「メール会議」として開催することにしました。

このメール会議では
確認事項として
1、委員会構成員の確認
2、委員長の職務代行者の指名
3、議事録署名人2名の指名
報告事項として
1、総務委員会所管事項の確認
2、前年度委員会からの引継・報告事項
3、総務委員会・COI委員会年間スケジュールについて
メンバーに周知して終わりました。

以上を、6/6の関東部会、6/20の近畿部会それぞれの学術評議員会で総務委員長である私からご報告(何せZOOMでの学術評議員会ですから、近畿部会でも会場に行かなくていいのは楽ですね!)させて頂きました。

一応面通しも終わったところで、第2回理事会前に、正確には拡大常務理事会前を見計らって、6/30(火)にはZOOMによる第2回総務委員会を開催しました。

審議事項は以下の通りです。
1.学術評議員選考規定の条文の見直しについて
2.名誉会員推薦規定運用基準および永年会員推薦規定運用基準の条文見直しについて
3.第94回年会がオンライン開催となった場合の役員選挙について
4.本会の「個人情報の適正な管理・利用等に関する申合せ」の変更について

まず1です。
新学術評議員の申請要件として,定款施行細則第29条に「会員歴原則継続5年以上」と定められている.これまでは新学術評議員選考規定第6条で「薬理学を基盤とする教育・研究を担当する講座(部門)の教授,大学病院の薬剤部長及び委員会がこれに準ずると判定した者については,会員歴に関して,特別の考慮を払うものとする」とされていましたが、会員の多数を占める企業所属会員が,学会の活動や運営に積極的に参画できるよう「企業の役職者」を会員歴の特例として新学術評議員選考規定第6条に追記する変更案を提示しました.すなわち
「薬理学を基盤とする教育・研究を担当する講座(部門)の教授,大学病院の薬剤部長,企業の役職者及び委員会がこれに準ずると判定した者については,会員歴に関して,特別の考慮を払うものとする」
とするものです。企業の研究者の方々により積極的に学会に関与して頂けるものと思います。

次に2です。
第94回年会は,トライアルとして副年会長をおき,年会長と協力して開催準備を進めております.副年会長制は,年会長への負担集中を避けることが目的の一つですが,部会にも,部会長の負担軽減のため,副部会長をおく必要性を感じ,検討されました.
委員会は,年会に副年会長を,各部会に副部会長をそれぞれ置くことができる文言を定款施行細則に追加する定款施行細則変更案の検討,及び副年会長あるいは副部会長を新名誉会員推薦や新永年会員推薦の際の功績に算入することの是非についてメール会議で継続審議を行いました.
年会長あるいは部会長が学術評議員会の議を経て決定されることを鑑み,副年会長あるいは副部会長を置く場合,当該年会長あるいは当該部会長は,それぞれの就任を承認された学術評議員会に報告し,その承認を得ることを確認しました.

そして3です。
第94回年会では役員選挙が予定されており,第94回年会は対面とオンライン併用での開催準備が進められています.対面での開催が危ぶまれるときの役員選挙への対応の検討が,年会長から本委員会に付託されたことに端を発しております。.
1)第94回年会では役員選挙を行わず,第95回年会学術評議員会で役員選挙を実施し,同時開催の総会で選任する,
2)第94回年会の役員選挙をWeb投票とする,
の二つの選択肢が考えられました.
Web投票の場合,
ⅰ)役員等選挙実施規定第2条に定める投票有権者「学術評議員会出席学術評議員」を「年会学術評議員会の参加申込期限までに,参加申込及び参加登録費を納入した学術評議員」に読み替える,
ⅱ)投票期間を一定程度設け,オンライン学術評議員会で開票結果を報告できるスケジュールとする等が考慮される.
第94回年会の役員選挙を含め、今後の役員選挙を全面的にWeb投票に移行する可能性についても広く意見を聴取し,役員選挙の在り方を引き続き検討することになりました.

最後に4です。
個人情報保護法の改定に伴い,申合せの変更が前期委員会から申し送られている.個人情報保護法は3年ごとに見直しがあり,2020年の改正を待って,申合せの変更に対応することにしました.

以上を駆け足で討議し、ぴったり1時間で終了。委員の方々の貴重な時間を少しでも守ることが出来、かつ十分な議論が出来たかと思います。

上記の第2回総務委員会審議事項をその後7/25(土)に開催されたZOOMによる第2回拡大常務理事会に報告され、8/5の理事会で審議されることになりました。

その結果1と2は承認され、3は学術評議員会がオンライン開催となった場合,役員選挙もオンライン投票を実施することになりました。

さらに拡大常務理事会開催後、役員選考委員会委員の審議が行われましたが、10月1日から31日まで役員候補者被選挙権者の推薦投票の際に、部会毎に行われる推薦以外に,女性枠,企業枠,研究所枠を全国区として新たに設定し,推薦を募ることが提案しましたところ、承認を頂き、今年の推薦投票でトライアルとして実施することを決まりました。

これだけ聞いてもさて何のことやら?と殆どの方が思われるかと思います。
実は薬理学会の役員選出方法は役員は「選挙」と「役員選考委員会によるもの」と二つの方法があります。

役員等選挙実施規定では,役員候補者の推薦を次のように定めています.
1.その部会所属の2名以上の学術評議員から推薦された者が被選挙権者となる(第5条).
2.学術評議員は,役員候補者の被選挙権者を推薦するに当たって,当該部会の理事定数と監事候補者定数の和(北部会 3,関東部会 7,近畿部会 7,西南部会 3)とする(第8条第4項).

学術評議員2名以上から推薦され,被選挙権者となるのは大半が大学教授で,企業や公的所属機関の方はほとんど推薦されてこない傾向があります.
そこで,「役員選考委員会によるもの」として女性,公的機関所属,企業所属等から選挙とは別に役員を選ぶのですが、役員選考委員会が推薦する理事候補者は,役員選考委員と交流のある学術評議員が推薦されているという印象をもたれることがあります.
今回の私からの提案では、役員選考委員会が推薦する理事候補者をバラエティのある人材で構成される被選挙権者名簿の中から役員選考委員会が理事候補者を選出するときの参考にしてもらおうというのが目的です。
これにより役員選考委員と交流のある学術評議員が推薦されているという印象を少しでも払拭し、少しでも多くの支持を得られた方が理事に就任されるということにつながって欲しいという思いからであります。

これは私が薬理学会理事に就任した時から変わらぬ思いであります、「公平性と透明性」のもとの「説明責任」、の実現に少しづつ近づくための活動です。

5月に始まった新体制の理事会から、8月の理事会までの間に総務委員長である私(だけではありませんが)の活動の一端を紹介させて頂きました。

新年度が始まり4ヶ月、今期の総務委員会は「駆ける!」委員会です。
会員の皆様の声を反映する「諸規則の整備」を、どんどん進めていきたいと思います。

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