【著者】
吉見 俊哉
【出版社】
岩波新書
【内容】
ハーバード大学客員教授として1年間、ライシャワー日本研究所に滞在した著者が、この社会を中心近くの崖っぷちから観察した記録。非日常が日常化した異様な政権下、この国が抱える深い暗部とそれに対抗する人々の動きをリアルタイムで追う。黄昏の「アメリカの世紀」とその未来について考察する、『世界』好評連載の書籍化。
【一言書評】
一冊の本としての構成がしっくりこなかったという批判もあるようですが、私が注目したのは第3章「ハーバードで教える」についてで、過去10年近く、東京大学の教育改革に努力されてきた吉見氏による、日本の大学(東大)とハーバード大学との教育方法の違いの記述から、日本は数十年のオーダーで米国の大学に差をつけられている実感と、その焦燥感、徒労感、虚脱感、無力感が確かに伝わってきますね、、、