【著者】
鈴木 由美
【出版社】
中公新書
【内容】
建武2年(1335)7月、信濃で北条高時の遺児時行が挙兵した。破竹の勢いで鎌倉を落とした彼らの動きに、時の政権は戦慄する。後醍醐天皇、足利尊氏、護良親王など多くのキーマンの運命を変えた反乱の内実を読み解き、その歴史的位置づけを示す。
【一言書評】
鎌倉幕府滅亡は当時の人たちにとっては、まさか、と言う事態であったのではないかと思われますが、建武の新政から室町幕府の成立と言う激動の時代、時流に抗い続けた人々の存在が、本人たちの意思とは別に図らずも中世を動かしたと言う点で、日本史の教科書の1文に過ぎない(あるいは扱われてもいない?)「二十日天下」とも呼ばれる出来事であった訳ですが、短くも重要な反乱であったのだな、と深く掘り下げその時代を知る面白さを感じました。