生物はなぜ死ぬのか(86)

【著者】
小林 武彦

【出版社】
講談社現代新書

【内容】
すべての生き物は「死ぬため」に生まれてくる。
――「死」は恐れるべきものではない。

【死生観が一変する〈現代人のための生物学入門〉!】

なぜ、私たちは“死ななければならない”のでしょうか?

年を重ねるにつれて体力は少しずつ衰え、肉体や心が徐々に変化していきます。
やむを得ないことだとわかっていても、老化は死へ一歩ずつ近づいているサインであり、私たちにとって「死」は、絶対的な恐るべきものとして存在しています。
しかし、生物学の視点から見ると、すべての生き物、つまり私たち人間が死ぬことにも「重要な意味」があるのです。
その意味とはいったい何なのか――「死」に意味があるならば、老化に抗うことは自然の摂理に反する冒涜となるのでしょうか。
そして、人類が生み出した”死なないAI”と“死ぬべき人類”は、これからどのように付き合っていくべきなのでしょうか。

遺伝子に組み込まれた「死のプログラム」の意味とは?

【一言書評】
現生物科学学会連合(生科連)代表で東京大学定量生命科学研究所教授の筆者、その造詣の深さに感心するとともに、本書の中で語られている「死は生命の連続性を維持する原動力」、「生き物は利己的に偶然生まれ、公共的に死んでいく」という内容を読み、西洋に古くから伝わるラテン語の格言?である「メメント・モリ(死を忘れるな)」を思い出しました。

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