【著者】
小倉 美惠子
【出版社】
新潮文庫
【内容】
川崎市の実家で著者が目にした一枚の護符。描かれた「オイヌさま」の正体とは何か。高度成長期に、小さな村から住宅街へと変貌を遂げた神奈川県川崎市宮前区土橋。古くから農業を営んできた小倉家の古い土蔵に貼られた「オイヌさま」に導かれ、御岳山をはじめ関東甲信の山々へ―護符をめぐる謎解きの旅が始まる。都会に今もひっそりと息づく山岳信仰の神秘の世界に触れる好著。(「BOOK」データベースより)
【一言書評】
ここ5年くらい、毎年5月の連休には武蔵御嶽神社と秩父の三峯神社に参拝しておりますが、もともと神社巡りが好きだったところに、山の上にある神様に会いに行くという理由でたまたま全国でも珍しいオオカミ信仰と、房州人、坂東武者の末裔としては切っても切り離せない?「ヤマトタケル」伝説の二つから関心を持って出かけたのが先の2社で、今回この本の著者とほぼほぼ同じ年代の私にとっては、なぜ私もこの2社に引き込まれたのか、そして人間の心の奥に今でもあるはずの自然への畏敬の念とは何か、など、いろいろ考えさせられる内容でした。