【著者】
浅田 次郎
【出版社】
集英社文庫
【内容】
子供の頃、伯母から聞かされた恐怖譚―。月のない夜、奥多摩の霊山に建つ神官たちの屋敷を男女の客が訪れた。思いつめた二人は、神主の説得の甲斐もなく屋敷内で心中を図ったという。だが女は死に切れず、事切れた男の隣で苦しみながら生き続け…。著者の母方の生家に伝わる話を元にした「赤い絆」「お狐様の話」など、怖ろしくも美しい全7編。短編の名手が紡ぐ、味わい深き幽玄の世界。(「BOOK」データベースより)
【一言書評】
この本(102)の前回の当たるbook101にて浅田次郎氏の「神坐す山の物語」を紹介したが、それに連なる「御岳山物語」と言える2編に、戦争怪談と言える2編、そして男女の因果応報?ないしは縁起とも言える怪奇譚の3編、とバラバラなのですが、そこには「神坐す山の物語」で紹介したのと同じ日本人の心の源流にあるものを共通して感じました。