未完の敗戦(103)

【著者】

山崎 雅弘

【出版社】

集英社新書

【内容】

なぜこの国は人を粗末に扱うのか?

その根本原因に迫る!

コロナ対策、東京五輪強行開催、差別やハラスメント、長時間労働、低賃金……。

日本の組織はあまりにも人間を、人の命や暮らしを、軽視していないか?

こうした状況と酷似するのが、先の戦争中の日本社会だ。

本書では、大日本帝国時代の歴史を追いながら、その思考の構造を明らかにし、今もなおその精神文化が社会のあちこちはびこる事実を数多くの事例を通して検証。

敗戦で否定されたはずの当時の精神文化と決別しなければ、一人一人の人間とその暮らしが尊重される「民主」社会は実現しない。

仕方ない、という思い込みとあきらめの思考から脱却するためのヒントと道筋を提示する書。

【一言書評】

これは私個人が大日本帝国時代の全てが悪ではなかったという思いを持っているからかもしれないが、敗戦後も日本に、そして日本人に残っているものは、決してそのルーツが全て大日本帝国ではなく、さらにその前に存在する長い歴史の中で形成されたものであることを考えると、ただ単に戦前との決別ができれば話は簡単だが、それが仮に出来たところで、日本人に脈々と受け継がれている「前近代」を全て日本から、日本人から消し去ることは至難の技ではないのか?、という無力感にも似た思いを読後持つに至りました。

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