【著者】
黒田 基樹 (著)
【出版社】
角川ソフィア文庫
【内容】
信長の出現、秀吉の天下統一で、戦国時代は終焉を迎えた。天下取りの舞台は西日本にあったといわれてきたが、戦乱の始まりも終わりも、実際は関東の動きが基準になっていた!関東の動向をなぞるように、畿内では室町幕府の秩序を脅かす下克上が相次いだ。関東の覇権戦争の中心にいたのが西から来た新勢力の北条氏と、旧来の関東秩序勢力である山内・扇谷の上杉氏である。両氏の関東支配権を懸けた争いから戦国史の真相に迫る。(「BOOK」データベースより)
【一言書評】
大名の動向を規定していた存在が「国衆」と呼ばれる自立的に両国を形成する存在で、鎌倉公方と関東管領の対立の中で勢力を伸ばす後北条氏も、国衆の支持無くして関東に覇を唱えることは出来ず、その存在意義のためには中世的権威を持たねばならなかったところに、改革的ではありながら関東域外にまではその勢力を拡大できなかった日本的組織の限界を感じる思いがしました。