介子推(139)

【著者】
宮城谷 昌光 (著)

【出版社】
講談社文庫

【内容】
山霊がつかわした青年、長身清眉の介推は、棒術の名手となって人喰い虎を倒した。やがて、晋の公子重耳に仕え、人知れず、恐るべき暗殺者から守り抜くが、重耳の覇業が完成したとき、忽然と姿を消した。名君の心の悪虎を倒すために……。後に、中国全土の人々から敬愛され神となった介子推を描く、傑作長編。(講談社文庫)

【一言書評】
「天下を相手にするには、まだまだその器量を拡大してゆかねばならなぬのである。
『旅がよい』
人は歩くことだ。風光や雨雪が人の心をみがき育てる。その歩みの多さが、すわったときの人の大きさや重みにかわる。」
信念と洞察力に優れた重臣は、「大きな困難は人を大きくする」との考えに基づき、「虚なる中心」である主君を敢えて困難に向かわせ、貧窮放浪の公子重耳は、それを受け入れ覇業をなす晋の文公として後の世に知られることとなる、という人生訓に満ち溢れた感動の長編です。

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