【著者】
倉本 一宏
【出版社】
中公新書
【内容】
最強豪族の栄光と没落
蝦夷・入鹿父子は六四五年の乙巳の変で討たれたが、蘇我氏は滅亡せず、以後も国家権力の中枢に位置した――。稲目を始祖とした馬子、蝦夷、入鹿の四代はいかに頭角を現し、大臣として国制改革を推し進めたのか。大化改新後、氏上となった倉麻呂系は壬申の乱へとつづく激変の時代をどう生き延びたのか。六世紀初頭の成立から天皇家を凌駕する権勢を誇った時代、さらに平安末期までを描き、旧来の蘇我氏イメージを一新する。
【一言書評】
聖徳太子に始まる国制改革を邪魔した悪役イメージのつきまとう蘇我氏、大化の改新によって滅亡したのは蘇我氏の本宗家のみであり、その後も地位は揺らぐことがなかったという事実、実像以上に反天皇の立場で描かれているという立場で書かれた本書は、旧来の蘇我氏のイメージを一新することでしょう。