ペリリュー玉砕 南洋のサムライ・中川州男の戦い(37)

【著者】
早坂 隆

【出版社】
文春新書

【内容】
戦死者10022名。最後に残ったのは わずか34名

エリートの道を外れながら、現場力が評価された
ペリリュー島の守備隊長、中川州男。
寡黙な九州男児は、成果の少ないバンザイ突撃を禁止。
水戸の歩兵第二連隊を中心とした日本兵は、
飢えと渇きに耐えながら徹底的な持久戦を挑んだ・・・・・。

そして戦後70年となる2015年4月9日、
天皇皇后両陛下(現・上皇上皇后両陛下)は
ペリリュー島をご訪問。
日米の戦死者へ献花し、深々と拝礼された。

横殴りの艦砲射撃。島をゆるがす大空襲。アメリカ軍はシャーマン戦車、火炎放射器まで投入。「天皇の島」で日本軍はいかに戦ったのか。

【一言書評】

約一万人の日本軍守備隊に対し、米軍の総兵力は約四万二千人と明らかに戦力差にも関わらず、日本軍は島じゅうに張り巡らせておいた地下壕を駆使して徹底抗戦を試み、米軍最強と謳われた第一海兵師団は「史上最悪の損害」を被ったというペリリュー戦。昭和天皇から「お褒めのお言葉」である御嘉尚(御嘉賞)が異例の十一回という、驚異的な奮闘であったという。

七十四日間に及ぶ激戦、玉砕する日本軍守備隊の高い士気の源は、「太平洋の防波堤」となって、内地で暮らす家族や女性、子供を守るため、それに尽きるという元兵士の言葉。殉忠報国、という悠久の大義に生き、散った日本人同胞の悲惨な最後を今を生きる者として知るべきだと感じます。

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