【著者】
エマニュエル・トッド (著), 大野 舞 (翻訳)
【出版社】
PHP新書
【内容】
これまで、ソ連崩壊からトランプ大統領の誕生まで数多くの「予言」を的中させてきたエマニュエル・トッド。
著者は本書で「現代における教育はもはや、社会的階級を再生産し、格差を拡大させるものになってしまった」と断言する。
かつては平等の象徴であった教育だが、今や高等教育の階層化がエリートと大衆の分断・対立を招き、民主主義の機能不全とポピュリズムを生んでいる。
本書では、教育格差を軸として、先進各国で起きている分断の本質を家族構造が能力主義・民主主義に及ぼす影響や地政学的要素を鑑みながら、鮮やかに読み解いていく。
日本の未来、そして変質する世界の行方は。
欧州最大の知性が日本の読者のために語り下ろした、これからの世界情勢を知るために必読の1冊。
【一言書評】
「高等教育が無能なエリートをたちを生み出した」と述べるトッド氏。
「高等教育は社会的な区分のためのツールとなったことで、認知レベルの欠陥が世界のあちこちで危機的な状態を生み出している、、、高等教育の発展が実は知性にとっては非生産的な結果をもたらしたと言えるかもしれない」
では高等教育に従事する者はどうすれば良いのか?、大学人の一人として悩ましいですね