【著者】
半藤 一利
【出版社】
幻冬舎文庫
【内容】
あの悲惨な戦争のさなかで、こんなにも立派に生きた日本人がいた。終戦75回目の夏にどうしても次の世代に語り継ぎたい8人の将校・兵士の物語。(「BOOK」データベースより)
【一言書評】
2021年1月に逝去された半藤一利氏が昭和35年の夏から全国を取材して執筆した『人物太平洋戦争』39篇の中から8篇を選び書き直したもののようですが、あとがき「終戦七十五回目の夏に」に引用されているフランスの哲学者アランの言葉
「もし平和が戦争の経験のあとにしか来ないならば、平和は常にあまりに来かたが遅すぎる。平和は常に死者の上に築かれるのか」
を例に出しているように、今の日本の平和がなぜ維持されているのか、を感じるとともに、解説を書かれた加藤陽子氏が書かれた、半藤氏が日本人の欠点として述べた2つの点、
「当座しのぎの根拠のない楽観性」と「排他的同調性」
が、このコロナ禍でも我が国において、頭を擡げているのではないかと思いました。