【著者】
NHK「果てなき殲滅戦」取材班+中津海法寛
【出版社】
祥伝社新書
【内容】
「どこに身を隠しても必ず探し出し、一人でも多くの日本人を殺害するつもりだ」――アメリカ極東航空軍報告書より
NHK BS1スペシャル「果てなき殲滅戦〜日本本土 上陸作戦に迫る〜」では、
ジョージ・マーシャルら米陸軍が強行しようとした「オリンピック作戦(九州上陸作戦)」の全貌が克明に描き出された。
本書は同番組の書籍化である。太平洋戦争末期、一億玉砕を掲げる日本に対し、
米軍は報告書に「日本に一般市民はいない」と明記し、都市はもちろん農村・漁村に至るまで徹底的に破壊しようとした。
互いの憎しみの中で多くの市民が犠牲となり、75年以上経った今もその傷は癒えていない。
取材のなかで次々と明らかになる衝撃の計画の数々――
日米両国での取材で発掘された関係者の証言と極秘資料からは、どこまでも残酷になる戦争の本質が見えてくる。
日本殲滅を目論んだ作戦の全貌を掘り起こす。
【一言書評】
キューバ革命の英雄チェ・ゲバラは1959年7月に広島市の原爆資料館を訪問した際「なぜ日本人はアメリカに対して原爆投下の責任を問わないのか」と問うたという話がありますが、第二次世界大戦後のヨーロッパ復興計画「マーシャル・プラン」を策定しノーベル平和賞を受賞したアメリカの英雄ジョージ・マーシャルは、無差別空襲・毒ガス攻撃・9つの原爆投下を辞さない日本殲滅計画である無慈悲な南九州上陸作戦「オリンピック作戦」を指導していた、と言う狂気が狂気を呼び、総力戦となって一般市民をも巻き込む「戦争」が、実はすぐ身近にあるかもしれないと言う恐ろしさを感じさせる内容です。