城をひとつ 戦国北条奇略伝(79)

【著者】
伊東 潤

【出版社】
新潮文庫

【内容】
城をひとつ、お取りすればよろしいか──。小田原城に現れた男は不敵にも言い放った。ある時は馬商人、ある時は旅の僧に姿をやつし、敵中深く潜入する。人の心を操るという兵法書『孟徳新書』の「入込」の術で、相手を分断。機を見て一気に城を奪取する。曰く「敵を攻めるのではない。敵の心を攻めるのだ」。江戸城攻略をはじめ、北条五代を支えた謎の軍師一族を名手が初めて描き出す傑作。

【一言書評】
戦国時代の城攻め小説?と言えば伊東潤氏、と言っても過言ではないかと思いますが、「入込」と呼ばれる敵を欺き騙す策略により、戦わずして城を取る大藤家5代と北条5代がリンクしての戦国スパイゲーム。
「いかなる勇者賢者でも、必ず心に隙や油断ができる、そこを突けば、必ず活路は見出せる」
自分は房州人として、小弓公方や里見家(戦国時代の安西家は里見家の家臣)に思い入れがありますので、欺かれてしまうのは複雑な気持ちですが、それも戦国ということで、楽しめました。

メニュー