夜と霧 新版(91)

【著者】
ヴィクトール・E・フランクル (著), 池田 香代子 (翻訳)

【出版社】
みすず書房

【内容】
〈わたしたちは、おそらくこれまでのどの時代の人間も知らなかった「人間」を知った。
では、この人間とはなにものか。
人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。
人間とは、ガス室を発明した存在だ。
しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ〉

「言語を絶する感動」と評され、人間の偉大と悲惨をあますところなく描いた本書は、
日本をはじめ世界的なロングセラーとして600万を超える読者に読みつがれ、現在にいたっている。
原著の初版は1947年、日本語版の初版は1956年。その後著者は、1977年に新たに手を加えた改訂版を出版した。

世代を超えて読みつがれたいとの願いから生まれたこの新版は、
原著1977年版にもとづき、新しく翻訳したものである。

私とは、私たちの住む社会とは、歴史とは、そして人間とは何か。
20世紀を代表する作品を、ここに新たにお送りする。

【一言書評】
人生の意味を問うてはいけない
人生に意味を問われているのだ
(Viktor Emil Frankl, 1905-1997)
捄国異能塾の「ご挨拶」に記載しているこの言葉が、まさに「夜と霧」の著者であるヴィクトール・E・フランクル氏のものであり、恥ずかしながら今回初めてこの本を読みました。
時は今、まさにロシアによるウクライナ侵攻、平和ボケした日本の方々の中には「早く降伏すべきだ」という意見をお持ちの方もいるようであるが、この本の扱うナチス強制収容所だけでなく、日本も戦後ソ連によるシベリア抑留を経験しており、世界史を学べば侵略者に降伏することが民族の消滅を意味することを知れば、死を恐れずに闘うしか手段がないことはこの21世紀に至っても変わっていないという現実を突きつけられた想いがします。

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