連夜の深夜バス

12/18月曜日。この日は母の外来受診日。朝早いと混雑するだろうということで、ゆっくりといけるように、朝11時に受診の予約をしたのだが、これが返って仇となる(苦笑)。

「朝7時起きればいいんだからね」と言い聞かせて寝たにも関わらず、朝5時前からゴソゴソとし始め、5時を過ぎると布団も畳んで覚醒モード。「まだ5時じゃない、まだ寝ていて良かったのに」と言っても「あれそう、早かったわけ」と全く意に介さず。ボケ老人相手じゃ何を言っても無駄か、、、

一応「寝てていいわよ」というので、どうせ起きても身がもたないだろうと、布団に入りガサガサする母を出来るだけ無視。そして6時まで待った所で「やれやれ」と起きたふりをして、朝食に付き合う。

昨晩セブンイレブンで買ってあった4つのサンドイッチ。「なぜ4つ?、多すぎでしょ?」と言っても、「いいじゃない、沢山食べれば」とどこ吹く風。「朝飲もうと思って買っておいた、美味しそうだったから」と昨夜は言っていたバナナオレが、冷凍庫に入れていたせいで凍っている(汗)、しかも「誰がこんなの買ったのかしら」、「かあさんでしょ!」、「私はこんなの買わないわ!」とやはり記憶がない。一晩経つと本当にリセットというか、記憶が無くなるようだ。毎日が新しい日というのはいいが、なぜ今の状況があるのか、前日からのつながりが消えると、その不思議を誰かがやったことにして不安を消すのか、と思考方法がなんとなくわかってくる。

食べ終わってもまだ7時前。それでも結局家を出るのに時間はかかるのだが、7時半にはやることもなくただ待っている状態。だから寝てりゃいいのに!、と思うが、ボケ老人相手じゃ仕方ないか。

普段なら「お茶でも飲む?」というのに、恐らく珍しくやることのあるこの日は朝からとにかく早く外出したいムードが漂う。11時の予約なので、早く行き過ぎても病院で待つだけだからと8時半まで引っ張るが、もう駄々っ子のように早く行きたいムード全開。仕方なく8:45に家を出てとりあえずコンビニへ。

「帰ってきてから払えばいいじゃない」と言うのを抑えて、「いやどうせ時間はあるのだから先に払った方がいい」と主張して滞納していた保険料を2回分支払う。「これでもう未払いはないから大丈夫だよ」、「あら、それは良かった、ありがとうね」。安心する時の対応は素直でいいのだが、、、

電車に乗り、目的地の駅で降りてバスで病院に向かう。月曜日なので混雑を予想していたが、意外に病院周囲の渋滞はなく、予定外にすんなり到着してしまい、朝9時半前に再来受付を通過。ここから1時間半外来受付前でひたすら待つ。

待つこと30分を過ぎた頃から「一体いつになったら見てもらえるのか、聞いてこようか?」、「何言ってるの、予約11時なのに1時間以上前から待つバカいないんだよ!、だから言ったでしょ、早すぎなの」というやり取りを5分ごとに繰り返し、ほとほと疲れる。挙げ句の果ては「こんなに待たせる所もう来ないので、別の場所に行くからと言ってくる!」というので、誰のお陰で初診からわずか2週間で検査までやってもらって診察に来ているのか!、とさすがに頭にくるが、ボケ老人相手ではラチがあかないので、「とにかく待つしかないの」と怒りを抑えて諭し、10分遅れでようやく外来受診にたどり着く、ふ~~

先生の前ではコロっと態度を変える母、現金なモノ(苦笑)。画像上極めて著名な変化は無いものの、脳血流低下部位があり、確定とまではいかないものの、アルツハイマー型認知症疑いの診断となる。まあそうでしょうね、、、

外来受診を終え、前回に続き、病院近くの食堂へ。今回は鴨南蛮そばを食べる。付け合わせのオカラを美味しい美味しいと言って食べる母。ほとんど完食してしまうあたり、まだまだ食欲旺盛(苦笑)。痩せた痩せたと訴えてはいるが、まだまだ体自体は元気なようで、、、

一応診断もついたということで、区役所に行って介護保険の利用申請を行う。あらかじめ書類も用意しておいたので、手続きは順調に進む。年明けに面接調査をして、承認されれば介護保険の利用が可能になるとか。まあとりあえず生活はできているので、要支援というところか。

その後自宅近くの薬局に行き、新しく出た薬の処方を依頼するが、残念ながら錠剤が規定のサイズがないため取り寄せとか。「明日お電話して取りに来て頂けますか?」、「う~ん、覚えていればいいのですが、まあ少し内服開始が遅れてもいいので、では明日電話してみてください」。

そして母の家に戻ったのが午後3時過ぎ。いやいや、長い1日になりました。

ここから大学へ戻ることに。「今から行くの?」、「当たり前だよ、仕事してお金もらっているんだからね!」、「また寂しくなるわね」、「仕方ないよ、また来るからね」と言い残して駅に向かう。5階の部屋の前の通路から駅に向かう私をずっと見送る母。気持ちはわかるが、母に割ける最大の時間は使ったので、後ろ髪を引かれながらも職場へと向かうことに。

大学到着は夕方4時、あ~、もうこんな時間か! 4時半から1時間のリサーチミーティングを終えると、この日6時からセミナーをして頂くJ大のF先生が早くも到着!そりゃ、20分前ですからね、お越しになりますよね~

今年はこれが3回目となる分子キラリティ研究センター亥鼻勉強会。今回は通知が遅れたせいか、主に教室員とスカラーシップの学生さん中心の参加者になりました。

その後7時半から演者の先生との夕食会を組んでいたので、来ていたメールにレスする時間もなく、そのまま食事に向かうことに。は~、全く仕事ができない(涙)

と言いつつも、理学部のM先生もここからご参加を頂いて、食事会は食事会で盛り上がる!(笑) 今更ジタバタしても仕方ないのでね、ということで気がついたら夜10時過ぎ。う~ん、しまった、夜10時を過ぎると総武線は全てお茶の水止まりになるので、お茶の水から混雑した中央線に乗らないといけなくなる、やれやれ。

ということでそろそろお開きにし、夜10時半まずは快速、そして遅いのだが中央線の各停に乗りのんびりと吉祥寺に向かう。吉祥寺到着は12時前、よし、これなら深夜バスに乗れる!、ということで、料金は倍だが00:05発のバスでこの日は無事に?帰宅できました。

11/19火曜日。この日は夕方に今年最後となる講演が静岡県立大学で行う日。当初は朝千葉に行ってから静岡に向かう予定だったが、昨晩帰宅が12時を過ぎてしまったため、さすがに朝5時には起きられず(汗)。しかし中途半端な時間に行くと、激混みの中央線に乗らねばならないため、少しゆっくりするかと思っていたら既に8時。今から行って10時、12時に千葉を出ないといけないので、大学に入られるのは正味1時間半か、まあいいか!、と千葉行きを取りやめ、家で仕事をすることに。こうやってフレキシブルに時間をコントロールできるのが教授の利点!?

実は今日の静岡県大での講演、2部構成で1部は真面目な?トランスポーター創薬の話、そして2部は若者への提言「出世のススメ」なのです。

自分が立ち上げた会であるトランスポーター研究会ではかなり好き勝手なことを言いましたが、さすがにそれと同じことを言うわけにはいかず(汗)、一応教授らしい品性?を保ちながらも、いつもの勢いは変えずにどう訴えるか、を課題に30分話をさせて頂くことにそれなりに考えた次第です。

11時半には家を出て吉祥寺駅へ。中央線で東京駅に行き、車内でのランチに定番?のチキン弁当を購入。さすがに平日の昼からは飲むわけにいかず、静岡茶のペットボトルを購入(笑)。そして新幹線に乗車。しかしそれにしてもいい天気!今日も今日とて「晴れ男」パワー全開ですね~(^^)

静岡まで新幹線、そこから在来線に乗り換え草薙駅へ!、と思ったらそこに現れたのは今回お招きを頂いた県大のK先生。「あれ、どうしてここに!、私のお迎えですか?」、「ちょっと事情があって、、、」とのこと(^_-)。

東海道線で2駅行って草薙駅で下車。ここで私の前世の叔父さん、と呼ぶH医大のW先生と合流。駅から雪を被った富士山が綺麗に見えます!講演までまだ少し時間があるため、大学近くの草薙神社へ。

ここは日本武尊ゆかりの由緒正しい神社。熱田神宮に奉納?されている「草薙の剣」も元々はこの地が由来とか。いつもの通り、この地で講演にお招き頂くご縁を頂いたことに感謝し、本日の講演の成功を祈願して参拝。3人で本殿に上がると俄かに強い風が。「神が来ましたね~」とお伝えする私、願いは叶う!(^^)

参拝を終えて鳥居を抜けると、そこにはバス停が。とはいえ1時間に1本しかないので、「ここから歩いて大学へ行きます!」とK先生。「歩くのは慣れてますから!」と意気揚々と歩き出すと、後ろからバスが通過。「あのバスは見台には行かないんですよね~」と言うと、「ん、すみません、あのバス行きます!」、「え~~!(な~んだ~~という心の声、笑)」。いや、まあ富士山も綺麗に見えますし、歩きましょう!(^_-)

静岡県大に来るのはこれで3回目。1回目は食品栄養学会の当時教授だった方との共同研究の相談、2回目は数年前に薬理学会関東部会でやってきました。今回は3回目。今日も見上げれば青空! 清々しいですね。

ラボに到着すると迎えてくれたのは予想外の立て看板! 大学院講義でこんな立派な看板をご用意頂いたのは記憶にないですね~、嬉しいやら恥ずかしいやら、、、

そして以前から面識があり、最近まで東北地方におられたS先生と再会。相変わらずパワフルで元気がいい(^^)。コーヒーを入れてくれたのだが、薄くて、「まあいいでしょう」というアバウトさが健在! 「変わってないね~」とW先生。いや、これ褒め言葉ですから(^_-)

K先生にラボ内をご案内頂く。スペース、設備とも問題なし!、いいですね~。K先生からはクリスマスプレゼントを頂く。あ、やばい、こちらは手ぶら、、、まあいいか(汗)

さあそして16時、いよいよ講演開始! まずは真面目に60分間「トランスポーター創薬」のお話。5分残して講演終了。会場から複数のご質問まで頂き、大変有難いですね。続いて残りの30分は第二部「若者への提言 ー出世のススメー」。

今年の9月に熊本でのトランスポーター研究会第10回九州部会にてお話しした内輪向けの内容を、もう少しマイルドにした(笑)柔らかい?ものに練り直してお話しをさせて頂きました。こちらはほぼ時間いっぱいを使って終了。質問とかされても困りますからね(^_-)、しかしここで司会のK先生、ある学生さんを指名して発言をさせる。いや~、参ったな~、と心の声(汗)。しかし嬉しいことにその学生さんは空気を読んだか「今までそんなこと考えたことなかったのですが、今日の話を聞いて私も考えてみようと思います!」、「お~、ありがとう~!」

講演が終わり、夜7時からは薬理学関係の先生方にお集まりを頂いての夕食会。恐らく40年ぶりとなる静岡鉄道に乗って草薙から新静岡に向かう。やってきた電車は「ちびまる子ちゃん」仕様(^^)。色々な意味で感慨深いですね~

夕食会には私、K先生、部下のS先生、W先生に加え、講演にもご参加頂いたY先生、薬理学会でもお世話になっているI先生、そして今回初めてお会いするM先生の7名。

最初は生ビールで乾杯をした後、私が日本酒が好きだとお話しすると、「ではここにある静岡のお酒を全クリしましょう!」ということになり、なんと15分に一つの日本酒が注文されることに。「先生時間がないですから、ペースを速めないと!」とM先生。さすが関西(京都)の人のノリは凄い。しかもM先生、おちょこに少しでも空間ができると、「あ、もう空いてますね!」とお酒を注いで頂いて、、、いや、これ、まずいパターン、、、なのに、思ったよりも静岡のお酒も美味しくて、性懲りも無く次から次へと飲んでしまう私。これでこの後静岡から東京三鷹まで帰るのですからチョー危険(苦笑)

楽しい食事会はあっと言う間に過ぎ、夜9時。新幹線は21:38発ですが、静岡駅まで少し歩くのと、お土産を買う必要もあるでしょう、ということで、そろそろ退散。最後に皆で集合写真を撮って解散。

同じく東京に戻られるK先生と駅に行くと、、、あれ、電光掲示版に21:38発が無い!、運休?、そんなはずは、、、って、どうやら岡山駅でのトラブルで70分の遅延とか。おいおい、ここで遅れてしまったら東京帰れない(汗)。

で、ここでK先生のご意見に従いこだま号の自由席で帰京することに。無事に東京駅に着いた後は混雑する快速を避けて各停で吉祥寺へ。これだと座って行けるので楽チンですね、、、でも乗り過ごすと高尾ですが(^_-)

途中当然?寝たものの無事に吉祥寺では目がさめる。しかし到着は00:03。昨晩も乗った深夜バスは00:05発。やば、2分しかない!、ということで駅に着いたらダッシュ! なんとかギリギリバスに間に合い、このまま帰宅。昨晩遅くて会えなかった息子がお出迎え。「こらっ、なんで寝ていないんだ!」と声を荒げるが、まあバカ息子でも起きていて会えると嬉しいもの。

帰宅して少し落ち着いて午前1時前、明日も早いんだろ!、と息子を叱りながら皆で床につく。やれやれ、長い1日が終わりました、、、

と思った30分後、夜中に電話。見ると千葉の母から。おいおい、また夜間徘徊かよ、と不安な気持ちで電話に出る。「かあさん(私の死んだ祖母)と姉さん(盛岡にいる叔母)が何も言わずにいなくなっちゃったから、交番で探してもらおうと交番に行ったら息子さんに電話して下さいと言われたから電話したのよ。なんで何も言わずにいなくなっちゃうんだろ!」と半ばキレ気味。「え~、最初からいなかったんだよ」、「いや、確かにいたのよ。でも部屋の中に靴も物も何もないのよ」、「ねえ、もうミエ婆さんは死んだんだよ。だからいるはずないんだよ。かあさんは認知症で、それは幻覚なんだよ。だから心配しないで今晩は寝ていいんだよ」、「あら、私は認知症なの?、もうかあさんは死んだの?、あら、私葬式出ていないんだけど」、「ちゃんと出たよ、忘れているんだよ。だから心配しないで今晩は寝てね」とやり取りをして、なだめてようやく電話を切る。は~、やれやれ、、、

明日、いや今晩は母の様子を見に行かねばダメか、ということで、長い1日が終わりました(^^;;

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