2018年度を締めくくる一大行事「第92回日本薬理学会年会」が3/14-16の3日間開催されました。
2018年度には昨年7月に学会を挙げての大行事のWCP 2018(国際薬理学会)が京都で開催されたのですが、それはあくまで2017年度にやるべき年会をずらして開催したようなもので、定例の年会はこちら大阪の年会が正規の2018年度の学会となります。
この第92回の年会長は、私がK林大学在籍時代にお世話になったO大学のK教授。元部下ということで、開催前から「薬理学教育」関連のセッションを2つほど企画して欲しい、とご依頼を頂いておりましたので、今回「カリキュラム統合」の話題と、「薬理学実習」の教育関連セッションを企画して、自らは「カリキュラム統合」のオーガナイザー&座長&演者を務めさせて頂くことになりました。
しかしこの第92回年会、同じ年度に先のWCPという大きな存在があり、学会としてはそちらに全力投球となった結果、多くの企業がWCPへの協賛を行なったため、同じ年度内に2回は無理と協賛を断られ続けているという年会長K先生の窮状が漏れ伝わって来たため、非常に微々たるものではありますが、現在進めているeLearning問題集の出版元である某外資系出版社に先の「カリキュラム統合」セッションのスポンサーになって頂き、年会への協賛を頂くことが出来ました。
またK先生から直々のご依頼を頂き、一度もやったことが無かったのですが、「市民公開講座」をお引き受けすることになりました。
さらに2012年に韓国で開催して以来中断状態にあった「日韓薬理学合同セミナー」を7年ぶりにK先生が第92回年会の中で再開するということを伺い、2002年東京でK林大学を会場として開催された第16回日韓薬理学合同セミナーの事務局長を務めた私は是が非でも?参加せねばならない、という思いを持ち、K先生に無理を言ってOral sessionでのlectureをねじ込んで?頂き、さらに夜の日韓薬理学の懇親会、そして翌日の韓国ゲストのexcursionへの同行をかって出ましたところ、K先生から「是非に!」とのお言葉を頂けましたので、3/17まで滞在することになりました。通常3日間の学会でその前後も含めて4泊5日と言う初の行程での参加となりました。
以上の様々な役割を得て臨む今年の薬理学会年会。3/12(火)には職場の重大行事「後期試験」を終え、さらに毎年この時期どうしてもギリギリになってしまう確定申告書類の作成を終えて迎えた3/13(水)、この日大阪に向かう前に8時半に自宅を出てやって来たのは武蔵野税務署!朝9時に到着するとそこには既に申請書提出の長~~い列が!(汗) とはいえ昨年最終日に行った際には1時間待ちでしたが、この日はそれほどでもない感じでしたので、30分待ちかな、と思ったらぴったりと当たり、ちょうど9時半に窓口に到達! すぐに点検も終わり書類を受けとって頂くことが出来ました。
さあ、提出を終えると向かったのは三鷹駅。たまたま来た東京駅行きの特急かいじに乗車。列車は大きな遅れはなく順調に東京駅へ。
たいめいけんの「チキンライス弁当」を買って東海道新幹線に乗車。その後新幹線は定刻通りに新大阪へ到着! さあ後は大阪駅からホテルのバスで会場か、と思っていたら、
し、か、し、、、新大阪に着くと大阪に向かう列車が大幅に乱れている様子
「現在大阪ー新大阪間で列車が5台止まっている状況で、この電車もいつ大阪に到着できるかわからない状況です」という車内アナウンス。え~、何それ!
この日は午後3時から薬理学会理事会があり、折角早く来ているのに、これじゃダメじゃん!、ということで、地下鉄に乗ることも考えましたが、ホームに客が溢れている可能性もあるか、と考え、新大阪で改札を出て、タクシーに乗り大阪駅へ!
「大阪駅までお願いします」
「どちらの出口に?」
「どちらと言うと?」
「JRに乗られるのですか?」
「いや、駅から出るリーガロイヤルホテル行きバスの出る近くに」
「じゃあ西口どすな」
「では西口にお願いします」
そうか、東京駅まで!、と言っても八重洲口が丸の内口かと聞かれるわな、と一人納得。
大阪駅西口には順調に到着。ここからリーガロイヤルホテル行きの連絡バスに乗車。このバスも順調にホテルへと着き、なんと理事会開始の1時間前には到着してしまう!
時間があるのでスライド作成。今回は初日に教育シンポジウム、2日目には一般口演、3日目は午前中日韓薬理学セミナーでの英語oral発表、午後は市民公開講座と、4つの発表があり、どれも適度に未完成(涙)。とはいえ楽天家の私、こんなに切羽詰まっていても「なんとかなるだろう!」と言う甘い考え。まあ実際大体はなんとかなるのですが、時々本当に間に合わずグタグタの発表をしてしまうことも人生で数回ほどありました(汗)
そして3時からはいよいよ理事会の始まり。大体2時間半から3時間かかるのですが、今回大きな議論?になったのは赤字決算と赤字予算。これをどう解消するか、についていくつか提案があり議論されました。
来年の同時期のこの理事会では、できれば赤字脱却、少なくとも赤字幅が縮小しているといいですね。って、私も理事ですので、この1年できる限りのことをしたいと思います。
夜6時からはこれで第4回目となる「医学部薬理学教育を語る会」。今年はO市大のT先生が幹事役。全国から約30名の教授が集まりました! 初参加の先生方も数名おりましたが、お陰様で「参加して良かった。また来年も参加します!」という嬉しいお言葉を頂く。JACMEの認証評価があるお陰で、このように同じ医学部、というだけでまとまることができるなんて、災い転じて福となす、ですね!、と言ったらJACMEの方に失礼ですが(汗)
和気藹々とした雰囲気の中、「語る会」も終了。明日から学会ということで、二次会はなく燦々午後解散。帰りがけに高知大のS教授とS准教授(あれ、どちらもSだ!)に遭遇し、「これから飲みに行きますけど、一緒に行きますか?」という悪魔の誘い(苦笑)。「いや、明日の朝のセッションのスライドがまだなんで、、、」と泣く泣くお別れすることに。いや本当に今回は余裕がなくて、、、
ということでこの日はおとなしくホテルに戻り、スライド作成、、、のはずが睡魔に負けて寝てしまいました(涙)。いや、疲れのせいですよ!(言い訳)
3/14(木)、この日からいよいよ第92回年会の始まり! 朝4時に目が覚めたので、そこから猛然とスライド作成。やはり早朝は仕事が進みます!
しかし気がつくとどんなに頑張ってもK先生の開会挨拶には間に合わない(^^;;
まあそれくらいは許して頂こうということでのんびりと会場に到着!
いや、本当はこの日は大事な日なのです。そう、遡ること2年前、長崎の学会初日は学術評議員会の前に役員選挙がありました。そこでTVにも出ている有名人の東大薬学の池谷裕二先生とは違うただの一般人である私が当時若干52歳で薬理学会理事に選ばれるという快挙を達成したのでした。
ということはつまり、この日も役員選挙が行われる日。前回は当日でも学会場を駆け回って投票のお願いをしようとしたものの、人を回る時間が案外無く、学会当日では全然動けないことを学んだのでした。
ということで今回は当日は無理せず支援者にお会いした場合に「よろしくお願いします」とあいさつ程度に済ませることとしました。実はそれまでに100通を超える応援依頼のメールを出していたのでした(苦笑)。
2年前の役員選挙では基本関東部会で考えが近い仲間であるお二人に私を加えた3人で理事ポストをゲットすることを目指しましたが、今回は自称「チームA」と名付けたお仲間を全選挙区で絞りこみ、理事会全14枠のうちの過半数(8枠)をゲットすることを目標としました。それは前回の長崎の選挙を勝ち抜いて理事になったものの、所詮一人の意見だけでは理事会は動かず、やはり理事会の中でも心を同じくする仲間がいて初めて事が動くのだ、ということを知ったからです。つまり自分一人だけが理事になっても仕方ないのです。
そんなことを考えながら望んだ初日。まずは薬理学教育シンポジウム2「カリキュラム統合と薬理学」のセッションが最初の仕事です。
薬理学との水平垂直統合をするにあたり、関連の非常に高い生理学、そして臨床薬理学の立場からは薬理学の統合をどう考えるか、の講演をそれぞれの学会からご専門の先生方にご講演を頂き、続いて私を含め、3名の薬理学教授が様々な統合を目指す事例の紹介、結果的にいずれも失敗談のような内容になってしまいましたが、成功を誇るよりも失敗の原因が何だったのかを共有する事が全国の薬理学教室で統合を目指す際の参考になるのでは、というスタンスでやらせて頂きました。
学会初日とあって溢れんばかりの立ち見までは出ませんでしたが、座席はほぼ埋まりまた活発な議論がなされ、何人かの知り合いの先生から「ユニークな試みで大変参考になった」という好評価?を頂き、企画者としては大変満足でありました。
最初の仕事が終わり、ランチョンセミナーへ!
この日は3つしかランチョンはなかったのですが、当初から狙いは「吉牛」、そう今回初めてとなる吉野家によるランチョンセミナーです。朝ランチョン受付に行くと、少し遅かったせいもあり、残っているのは吉野家のランチョンのみ。当初からそれが目当ての私には残っていてラッキー!、って感じです(笑)
で、期待通りランチ弁当は吉野家の牛丼! しかもランチョンの話題である「サラシア牛丼」とサラダ。いや〜、学会で昼から牛丼なんてなんと幸せ!、、、でしたが、サラダにかけるドレッシングがなかったのは残念。吉野家のドレッシングも配って欲しかったな〜、なんて贅沢ですがね(汗)
ランチョンが終わるとポスター会場へ。講師と院生の2名の発表があるのでそれを見に行きました。すると意外にこのポスター会場で人に会う事が出来、突然思い出して挨拶がてらの役員選挙の応援依頼。まあ全時間やり続けたわけではありませんが、可能な範囲で知り合いの方に声かけをした感じです。
さあ、そして国際対応委員としてSNS上で参加を呼びかけた「JPS-ASPET lecture」の時間。長崎では折角米国からゲストをお招きしてもガラガラで残念だったので、今回は人を集めたい!、という国際対応委員長I先生の思いを受けて、宣伝活動をしたのでしが、果たしてどれだけ集まるのだろうか、と気が気ではなかったのですが、これが予想以上に人が集まり、部屋の前半に空席が目立つものの、後ろの方はかなり人がいた上、演者のGudas先生の英語が明瞭で非常にわかりやすく、英語を聞くとすぐに寝る(汗)私も、1時間中珍しくずっと起きていたほど、我々日本人に優しい英語のlectureでした。正直ホットしました(^^)
これで第二のお務めを済ませたので、次はご褒美!
同じ年の友人(と自分は思っている)S医大のU教授とその教え子を入れ3人でホテル内のカフェでティータイム。私は和紅茶に抹茶ロールケーキを頂き、学術評議員会までのしばしの時間、リラックスして過ごしました。と書くとなんですが、実際は政治活動に全く興味のないB型のマイペース人間相手に、自分がなぜこういう活動をしているのかを切々と語ったのですが、暖簾に腕押し状態で、リラックスとは程遠い時間ではありましたが、、、ね、そうでしたよね?、U先生(笑)
さあ、時計を見るとそろそろ5時過ぎ。いざ学術評議員会の会場へ!
A会場は人が続々と集まっており、ちょっとした高揚感が漂っています。
受付で登録後早速役員投票のマークシートを渡され、理事である私は理事席に着きますと、早速知り合いのU理事に促され、マークを開始。14名の理事と2名の監事を選んで記入終了! 学術評議員会の開始直後に投票用紙は回収となり後は結果を待つだけ。
総会の内容は前日の理事会で出てきた内容ばかりなので、また自分がひな壇に上がることも無いため、とりあえずその内容を確認しながら聞いているだけのリラックスしたもの。赤字決算に赤字予算でも特に会場からの質問はない。みなさん案外おとなしいというか、全権委任なのか、それとも諦めているのか、なんの質問も出ず、審議事項は皆可決しました!
報告事項も終わり、それでもまだ届かない選挙結果。しばらくして結果報告になりました。さあチームAの結果や如何に?
「チームA、過半数を大きく超える二桁理事数を獲得し安定多数へ!」
新聞風に言えば「地滑り的勝利」でしょうか、私自身も関東部会でトップ当選を果たしました。これも偏にご投票を頂きました評議員の皆様のお力添えのおかげと心より感謝申し上げます。
評議員会終了後、全員ではありませんが、チームAの先生方と握手。
「1年後からよろしくお願いいたします」
従来型の運営で行き詰まりを見せている現状をどこまで変えて行けるか?
1年後から始まる新体制の発足が待たれますね。
ということで会場を後にしてやってきたのは「上田慎一郎」というお店。
私たちの教育シンポジウムの前にやっていた亜鉛のシンポジウムの打ち上げ会に参加させて頂きました。
トランスポーター研究会時代からよく知るT文理大のF教授にお招きを頂き、飛び入りの参加。アウェーで全然知らない人ばかりか、と思いきや、必ずしもそうではなく、一番最後に来たのにすぐに?打ち解け、最後は最初からいたかのような振る舞いになってしまいました(汗)
ということで長い長い一日だった3/14(木)がやっと終わりました。
(長かったですね〜〜〜、苦笑)