日本の中の南仏との別れ

2023.3.2(木)
この日年休を取って家内と二人で朝から箱根へ!

バスタ新宿から朝8時発の小田急高速バス箱根桃源台行きに乗り、私にとっては「日本の中の南フランス」であった「箱根 星の王子さまミュージアム」に向かいました。

昨年10月10日、年末の横浜薬理年会まで2ヶ月を切った「スポーツの日」の連休、忙中感あり?という訳ではないですが、家族3人で束の間の箱根旅をした際にも、私のお気に入りの場所である「箱根 星の王子さまミュージアム」を訪ねていました。

それから約3週間後の10月28日、
「1999年6月29日開園以来、皆さまに愛され続けてきた当ミュージアムですが、コロナ禍による来園者の減少や建物の老朽化により、この度2023年3月31日をもちまして閉園する運びとなりました。」
という衝撃のニュースを知ることになりました。

2001年8月に南フランスから帰国して21年半、結局南仏を訪れたのは記憶では2-3回だけ(涙)。なかなか行けない私たちに取って、日本で唯一南仏を思い出すことのできる場所が、ここ「箱根 星の王子さまミュージアム」でした。

特に1990年代のリヨンの街並みを再現した「王さま通り」というエリアは、普通の人が見れば、単なる薄汚れた?壁の並ぶ外壁だけ、の場所にしか見えないでしょうが、実はその薄汚れた感じが南仏らしく、そこにいくと一瞬で南仏にトリップできる空間でした。

11/30-12/3までの横浜薬理年会を終え、事後作業も一段落した12月22日、3月末閉園が決まってから初めて「箱根 星の王子さまミュージアム」を家内と二人で訪ねました。

その時は入場券は買ってあったのですが、ミュージアムショップ五億の鈴で星の王子さまグッズの買い物がメインでしたので(笑)、なんと入場はせずにショップだけ訪問して、グッズを買いまくって来たのでした!

3月の閉園までに最低もう一度は行こう!、と思っているうちに、時は経ち、もう3月。3月と言えば例年私を悩ませる「確定申告」があり、また中旬には生理学会大会もあり、月末の閉園間際はものすごく混むだろう、ましてや週末はもう無りでは?ということで、この日平日の3月2日に、おそらく最後の訪問をすることにしました。

12月22日は東名の大渋滞で、到着が40分近く遅れましたが、この日は渋滞はそれほどでもなく、15分程度の遅れで到着。「箱根 星の王子さまミュージアム」のメインゲートを超えたところにあるB612の広場前には当日券入場の方が列をなしています。

アソビュー!で前売り券を購入していたので、オンラインチケットを見せて簡単に入場!
12月の時と比べるとはるかに入場者、特に若い女性が多く、あ〜、最初からこれだけ人がいれば閉園もなかったろうにな〜、と残念で仕方ありません。
皆さん出会いの庭にある星の王子さまと記念撮影をしていました。

前回来た時はバラが咲いていたローズガーデンを過ぎ、クリスマスローズの花園から王さま通りへと入ります。時折陽がさして来て、通りが美しさを増します。

行き慣れたサン=テグジュペリ教会も見てから展示ホールへと向かいます。展示ホール前の外壁もフランス感溢れていていいのですよね〜

展示ホールには普段なら人目を引く本やグッズがあるのですが、もう閉園間近なためかがらんとして寂しさを誘います。唯一星の王子さまがお出迎え!

ほぼほぼ毎回スルーしていた映像ホールに久しぶりに入り、星の王子さまができるまでの16分の映像を視聴。これももう最後ですね。

 

 

順路に従い展示ホールを巡ります。今回が最後だと思うと、すべての展示を舐めるように見て回ります。一つ一つが懐かしいですね。

展示ホールを出ると飛行士通り、呑み助通り、を経て城館とフランス式庭園が現れて来ます。

そしてレストラン ル・プチ・プランス、その奥にショップと、この建物自体も南フランスを思わせる作りで、懐かしい思いがいっぱいです。

さあ、「箱根 星の王子さまミュージアム」の全てを脳裏に焼き付けた我々、いよいよショップに入ります。

12月から3ヶ月、グッズもかなり無くなっていました。
それでも何か買いたいものはないかと店内を2周回って今回も最後にお買い物!

さあ、これでもう思い残すことは無い、、、さようなら「箱根 星の王子さまミュージアム」!、という気持ちで後にしました。

この後は箱根湯本に戻り、小田急線で新宿に向かい、帰宅。

出会いは別れの始まりですが、COVID-19により、多くのものが失われていった気がします。
私に取っての日本の中の南仏であった「箱根 星の王子さまミュージアム」、また一つ、記憶の中だけの存在が増えてしまいました。
今当たり前のようにあるものは当たり前のようにいつまでもある訳ではない。
新型コロナから学んだ教訓ですね。

“L’essentiel est invisible pour les yeux.”
『たいせつなことは目に見えない』

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