8/5(水)にZOOMによりオンライン開催された2020年度第2回日本薬理学会理事会。3回目の報告は「日韓薬理学合同セミナー」です。
7/11にZOOM会議として開催された国際対応委員会で、2019年の2年後となる2021年に韓国で開催されます第23回韓日薬理学合同セミナーの日本側代表を私が務めること、そして(それとセットで)本来はその2年後、しかし年会の3ヶ月前倒しにより1年半後に日本で開催となる第24回日韓薬理学合同セミナーの会長を私が務めることが決まり、それが8/5の理事会で報告されて、正式にアナウンスされることとなりました。
私にとりまして、この第24回日韓薬理学合同セミナーの会長拝命は、歴史の一端を担うことになるという点で、特に光栄であります。
韓国釜山で第1回が開催されたのが1982年ですから、第1回から数えて40年に当たります。私は第16回の事務局長を務めましたが、それが2002年ですので、そこから数えて20年に当たります。さらに千葉大学としては1994年開催の第12回を開催されたのが薬学部の佐藤哲男教授(当時)ですので、そこから数えると28年ぶり、という「歴史」ずくめ、なのです。
私と日韓薬理学合同セミナーに関しては、2019.3.31にこの異能塾の中で以下のような記事を紹介しておりました。
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なぜ日韓薬理学セミナー?、と多くの方は思われるでしょうが、私が人生で初の学会・研究会での事務局長を務めたのが、この会なのです!
2001年8月にフランス留学から戻り、東京三鷹のK林大に赴任してすぐ、当時の教授E先生から事務局長役を依頼され、何も考えずに引き受けたのが運の尽き!?(^^;;
2002年の10月、K林大学を会場にした第16回日韓薬理学合同セミナーを開催したのです。
帰国後すぐで、まだ薬理学会にもそれほど参加しておらず、講演をされる先生方の顔と名前が一致せず、E先生に名前を言われても誰が誰やらわからず、さらに第16回が日韓薬理学セミナーが始まってちょうど20年の節目ということで、過去20年の歴史を飾った功労者が日韓を問わず集まり、「この人一体誰だっけ?」と混乱してE先生から多大なるご指導を頂いたのでした。
ですが、この年2002年はサッカーの日韓W杯が開催され、個人的には今のバカ息子が妊娠したことがわかった年であり、思い入れの深い年でありました。
その日韓薬理学合同セミナー、私は福井で開催された2006年の第18回、鹿児島で開催された2010年の第20回に参加しており、また第20回の事務局長であったK大薬剤部のT先生は、2002年に参加しておられたこともあり、今でもご縁の深さを感じるなど、確実に私の研究者人生の一部になっております。
この日韓薬理学セミナー、2012年に韓国の済州島で開催されたのを最後に中断。本来は日本で開催するはずだったものが開催されずにいた訳です。
今更誰かに責任を負わせても仕方がないのですが、その時はやろうと思われたとしても、実際こういう会を開催するというのは大変であることは確かですので、次の会長を誰に託すのか、というのは会の継続を考える際に非常に重要であることの教訓を我々に残したと言えるかと思います。
今回7年ぶりに再開に至った裏には、今回の年会長であるK先生の思いがあってのことと感じております。
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日韓薬理学合同セミナーには私は以下の4回に参加しました。
2002年、東京、第16回、会長:遠藤 仁先生(杏林大学)
2006年、福井、第18回、会長:村松郁延先生(福井大学)
2010年、鹿児島、第20回、会長:山田勝士先生(鹿児島大学)
2019年、大阪、第22回、会長:金井好克先生(大阪大学)
Excursionまで参加した2002年の第16回と2019年の第22回は、特に思い入れの深い回ですね。
最近古いHDを見ていたら、第16回の報告書Wordファイルが出てきました。
当時を思い出しますね。紹介させて頂きます。
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平成14年10月3日から5日まで、杏林大学医学部大学院講堂を始めとした会場で、第16回日韓合同薬理セミナーが、遠藤仁会長の下で開催された。
日本と韓国の薬理学者が集い学術交流を行うことを目的とした本セミナーは、1982年の韓国・釜山で始まって以来本年でちょうど20周年を迎え、今回は20年目の記念する会であった。
本セミナーでは以下に示す3つの特別講演と「Preclinical trials in 21st century」、「Drug development strategies in the post-genomic era」、「Molecular targets of new drugs」をテーマとする3つのシンポジウム、及び12題の口演発表、19題のポスター発表が行われた。
“Biomedical Impacts of Pharmacological Analysis of Transgenic Animals – Lessons from Prostanoid Receptor-deficient Mice”と題する京大医学部・成宮周教授の特別講演ではプロスタノイド受容体欠損マウスでの研究を例に、遺伝子改変動物の薬理学的解析が医科学の発展に大きく寄与することを示し、統合的な解析手段の確立の必要性を示唆した。
“Na+-K+ ATPase: Regulation by PLC- and Adenylcyclase-mediated Signal Pathways in Cardiac Myocytes”と題するPohang University of Science and TechnologyのChin Ok LEE教授の講演では、モルモット心室筋細胞を用いたNa-Kポンプ機能の調節メカニズムの検討が報告され、PLCを介するシグナル伝達経路とcAMP依存性タンパク質キナーゼを介するシグナル伝達経路からのNa-Kポンプの詳細な調節機構が明らかにされた。
“Calcium Signal Generated by Release of Calcium from Intracellular Stores: A Molecular Switch of Cell Functions”と題する東大医学部・飯野正光教授の講演では、様々な役割を持つカルシウムシグナルが、そのspatio-temporalパターンに依存していることに注目し、そのパターンがどのようにストアからのカルシウム放出によって作られるかを検討した結果、IP3Rのカルシウムセンサー部位を確認することができたこと、さらにIP3の産生も細胞内カルシウム濃度に依存することが報告された。
また3つのテーマにて行われたシンポジウムの中で、特に「Molecular targets of new drugs」と題するセッションでは、国立循環器病センター若林先生から抗癌剤の創薬ターゲットとしてのNHE調節分子CHPについて、Pusan National University, College of MedicineのKi Whan HONG教授からはPDE III阻害薬Cilostazolの抗アポトーシス効果について、杏林大医学部の金井教授からは抗癌剤創薬ターゲットとしてのアミノ酸トランスポーターLAT1について、そしてChonbuk National University Medical SchoolのUh-Hyun KIM教授からは抗糖尿病薬の創薬ターゲットとしてのCD38についてと、それぞれUp-to-dateな内容が紹介され、会場からの質疑応答も最も熱心に行われるとともに、これらの演題に関する関心の高さが改めて浮き彫りになった。
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成宮先生、飯野先生、金井先生と、日本側の講演者を見るだけで、なんかすごい会だったなと今更のように思いますね。国際イベントに参加すると、こういうBig Nameの先生方と、懇親会や朝食などの際に、気軽にお話をさせて頂いて、面識を得ることができるのもメリットですね!
(私はとても記憶に残る人間ではなかったかと思いますが、、、)
そうは言いましても、2016年のAPFPで、座長:成宮、安西、演者:成宮、飯野、安西、なんてことが怒るのですから、世の中わからないですよ!
2002年の際に、14年後には一緒にシンポジストになっているなんて想像も出来ませんでしたからね!(苦笑)
さて、日韓に関してはこの異能塾の中で、既に
千葉大学として35年ぶり:第96回日本薬理学会年会長に決定!
の中で、私が「第24回日韓薬理学合同セミナー」”Japan-Korea Joint Seminar on Pharmacology”のPresident(会長)も務めることを、そして
“The 23rd Korea-Japan Joint Seminar on Pharmacology”は2021年6月24-26日に、韓国Daeguにて開催!
の中で、私が日本側代表を私安西が務めることをお伝えしております。
とりあえず来年の6月、果たして大邱に行けるのかわかりませんが、日本国内でのゆるゆるの英語による発表ではなくて、英語しかわかってくれない中での、でもnativeではない同じ母国語なまりの英語なので、なんかほっとするという環境下で、若い方々に英語での発表にチャレンジする機会ではないかな、と思いますから、まずは2021年6月、韓国大邱での第23回、そして2022年12月、横浜での第24回、とどしどし参加して頂けると嬉しいなと思います。
2002年の第16回の日韓のexcursionは箱根ツアーでした。
2022年の第24回の日韓のexcursionは、どこがいいですかね〜
何かいいアイデアをお持ちの方、おられましたら私までお願いしますね!(^^)