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公約を守り日本毒性学会企画戦略小委員会にて提案

このコーナー、楽しみにしておられる方も多い?かと思いますが、本当に8月9月は忙しかったのです(言い訳モード、苦笑)。

8/4の年末の横浜年会の演題応募締め切りから、分野ごとの取りまとめを行うとともに査読者を選び査読の依頼をかけ、同時にセッションの割り当てを行い、年会のスケジュールを決めてゆく作業は学会業者に任せるわけに行きませんので、自分たちで行い、8月末までには採否を決定しますと言っていたはずなのに、結局9月中旬から下旬にずれ込んでしまいました。

その間に早まった科研費申請書の作成を並行して行わなければならず、「今年は学会があるから科研費は出せませんでした」と言う言い訳を何度しようと思ったことか!(汗)
しかしやはり「応募さねば採択はない」のが常ですので、必死で部下と自分の申請書を仕上げ、間に合ったと胸を撫で下ろしたところです。

で、本題です。

当時理事長であったE先生の指令?により2003年1月1日に入会し、5年後には評議員となり、その後も毎年演題も出して活動していた日本毒性学会。2011年にD医大で主任教授になってからは、知り合いも多くないので、だんだんと足が遠のいておりました。

いつ(評議員を辞めるどころか)学会員をやめようかな~(笑)、なんて思っていた私ですが、2016年に現職に異動となり、某省のさる委員会の評価委員をE先生から引き継ぐことで、すっかり忘れていた毒性学を思い出すことになり(汗)、「あ、辞めてないでよかった」、と思いながらも、なかなか毒性学の実験まで手が回らないのが正直なところで、積極的なコミットまで心が決まることはありませんでした。

2022年12月に私が主宰する日本薬理学会年会まで1年を切った師走に、「年明けに毒性学会の理事選挙があるので、当選目指して活動してみたら」と言う声がけがあり、まあ正直年会に力を入れたいし、どうせここ10年近く表舞台では何もやって来なかった毒性学会で、いきなり理事選挙の活動したってうまく行くわけないじゃん、と思いながらも、「まあ、ダメでもともとだから、チャレンジしてみるのも面白いか」と言う思いが湧いてきたため、1月7日の投票開始に合わせ、何人かのめぼしい先生方に以下のメールを送らせて頂きました。

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件名:理事選挙でのご支援のお願い

○○大学
△△先生

初めてメールをさせて頂きます、C大のAと申します。

突然で恐縮ではございますが、上記件名の通り、この度今月1月7日より実施されております日本毒性学会の理事選挙にあたり、ご支援を頂きたくメールをさせて頂きました。

私は2001年、当時日本トキシコロジー学会理事長であったE先生の主宰するK林大学医学部薬理学教室に所属し、研究教授でおられたK先生(現O大教授)のご指導の下、腎毒性発現に関わる有機酸トランスポーター研究に携わりましたご縁で、2003年にトキシコロジー学会(現毒性学会)に入会し、現在は評議員をさせて頂いております。

また2016年にC大の教授となり、現在E先生の後任として某省検討委員会委員を拝命しております。

メインの日本薬理学会では理事を務めており、また本年12月には会長として横浜で第96回日本薬理学会年会を主宰させて頂きます。

年末の第96回年会では毒性学会との共催企画を予定しております他、その重要性に鑑み、サテライト企画”Digital Pharmacology Conference”の開催でも、毒性学会理事の先生を委員にお迎えしと、ご企画を頂いております。

今回のコロナ禍で我が国でワクチンや低分子化合物の開発が進まない現状に大変な危機感を持ちました。健康面でも海外からの輸入に頼る状況は我が国の安全保障を脅かすことになり、創薬科学の基盤と言える毒性学会と薬理学会のさらなる連携強化なくして日本の研究力向上はあり得ないと感じております。

私の第96回年会をその契機として、自身の出自である臨床医学への接続という毒性学会の新たな展開を担うべく、私を何卒理事という立場にて働かせて頂きたく存じます。

なお従前より毒性学会の□□先生より、「アカデミア代表として企画・戦略小委員会メンバーでの活躍」を期待されておりましたことも、心を決める一因でありましたことを申し添えさせて頂きます。

長くなりましたが、今後毒性学会の発展のために尽力致しますので、今回の理事選挙にあたり、私へのご支援・ご投票をお願いしたく存じます。

以上、何卒よろしくお願い申し上げます。

日本毒性学会評議員
A 拝

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コロナもありましたが、最近5年間は演題を出したり出さなかったりしていただけではなく、毒性学会では委員会委員の経験もありませんでしたので、落ちて当然と腹を括っておりましたところ意外にも「当選」の連絡を頂き、晴れて本年7月には「理事」を拝命することとなりました。

初の理事会(私は欠席、汗)の様子は7月4日に異能塾で以下のようにUPした通りです。

札幌→高松:韓国KBMS基調講演、毒性学会理事就任、そしてヤラカシ💦

9月には新メンバーによる理事会も開催されました。

2018.4.30、4月を迎えてメンバーを刷新した日本薬理学会理事会に参加した際には、以下の通り、新米にも関わらず理事会で発言をしておりましたが

連休初日、理事会にて発言

この時は3時間の理事会のなかで「一言も発言しない」で終わりましたので、終わった後で某先生から「先生~、静かだったね、具合悪いの?」と心配されてしましました(苦笑)

「先生はほら、『バ、バ、バ、バ、バ!』って打ちまくる人だから」と言われ、、、

いや、私はそんなに無差別に発砲する人ではないんですけどね(笑)

と言うことで?、この日、選挙応援依頼文にも記載した、私が活動したい「企画戦略小委員会」がありましたので、早速そのご報告です。公約通り参加させて頂くことが出来たのも選挙で私に清き1票を入れて頂いた皆様のおかげと感謝するとともに、その期待に応えるべく、公約を守り活動を始めたことをお伝えしたいと思います。

具体的には2つの提案を行いました。

企画戦略小委員会 委員長のM先生にメールを送らせて頂きました。

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件名:第1回企画戦略小委員会1:「(仮)国際交流特別(小)委員会」設置のご提案

企画戦略小委員会委員長
M 先生

いつもお世話になっております、C大学のAです。

来週の企画戦略小委員会に先立ち、一つ提案したいことがございます。

それは「(仮)国際交流特別(小)委員会」の設置であります。

元前理事長のご尽力により、世界における日本毒性学会の存在感は大いに増したものと思います。既にグローバルなこの世界において、日本毒性学会もその世界における役割を果たすべきであることは未だGDP世界第3位の国として言うまでも無いことかと存じます。

また私ごときが言うまでもございませんが、学会の国際交流は国と国の外交関係に近い、「継続性の上に立つ信頼」を持って成り立っている面がございます。長きに渡って同じ人間がその窓口として存在することが交流の相手方への信頼をつなぐことは言うまでもありません。その意味でそれまでの担当者が2年単位でコロコロを変わることでは諸外国からの「信頼」を失うことにも繋がりかねません。

他学会の例を持ち出して恐縮ですが、公益社団法人日本薬理学会は、2016年に、それまで個別に対応がなされてきた日韓、日中、日豪、日米、日英、そしてAPFP(アジア太平洋薬理学者連盟)を統括し、長期的な視野に立って国体交流を進める組織として「国際対応特別委員会」を立ち上げました。

IUPHARの第二副会長をお務めのI先生を委員長(当時)とし、6組織との交流を担当する委員6名、さらにAPFP会長(当時)であったM先生をオブザーバーとして8名でスタートしました。

「国際対応特別委員会」の任期ですが、日本薬理学会が1国1組織のルールに従い我が国を代表して参画しておりますを国際薬理学連合IUPHARが4年に1度改選となるのに対応し、委員長は4年を一区切りとしております(一応2年に1度の見直しあり)。

初代委員長のI先生は2020年の改選時、IUPHARの第二副会長をK先生と交代し、現在そのK先生が国際対応特別委員会の委員長ですが、I先生にはオブザーバーとして委員会に残って頂きました。またAPFP会長であったM先生も会長を2021年に退任されましたが、そのままオブザーバーーとして委員会に参画して頂いております。

日本毒性学会におきましても、IUTOX, SOT, ASIATOX(そしてもし日韓、日中などの二国間交流があればそれを含めて)持続的に運営するためには、原則4年を任期とする「(仮)国際交流特別(小)委員会」を設置する必要性があるものと考え、ここに提案をさせて頂きます。

学会の未来にとりまして大変重要なことであるかと考えますので、委員会にてご検討を頂きますれば幸いです。

長くなり申し訳ありません。
よろしくお願い申し上げます。

日本毒性学会理事
A 拝

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件名:第1回企画戦略小委員会2:「生物科学学会連合(生科連)」加盟のご提案

企画戦略小委員会委員長
M 先生

いつもお世話になっております、C大学のAです。

来週の企画戦略小委員会に先立ち、一つ提案したいことがございます。

それは学会としての「生物科学学会連合(生科連)」への加盟の件であります。

生物科学学会連合(生科連)は、生物科学、生命科学関係の学会が協力して、当該分野の研究・教育に関する諸問題、および社会との連携について意見を交換し、分野の発展ならびに持続可能で安全な社会の構築に寄与することを目的としており、現在、34団体が加盟し、のべ9万人の研究者が所属しています。

生科連の活動の中心は

1、地球環境の悪化、それに伴う生物多様性減少の問題
2、研究者のおかれている教育・研究環境の問題
3、生物教育、および大学入試・教育用語の問題

の3点です。

さてでは日本毒性学会が生科連に加入する意義は何か、であります。

毒性学会のホームページには

「医薬品や化学物質の有害反応を明らかにし、その発現機構を解明するには、動物種差、人の個人差、人種差、性差、年齢差、さらに胎児、新生児など化学物質に脆弱な集団への影響など幅広い知識を基にすることから、毒性学は基礎科学と応用科学を活用する多様性に富む、学際的な科学である。」

とありますように、基礎科学をベースにしていることは疑いないかと存じます。

しかし例えば毒性学会における「教育」、それを管轄する教育委員会の構成を見るに

・生涯教育小委員会
・基礎講習会小委員会
・認定試験小委員会

の3つに代表される「業務としての毒性学を支える人材の育成」という面が強いように見えます。

企業所属会員の先生方の関心が勢いそちらに向いているためかと思いますが、薬剤師育成、獣医師育成、そして医師その他の医療専門職育成における「毒性学教育」という視点が(私の不勉強の故かもしれませんが)欠落しているように感じます。

毒性学は薬学、獣医学、医学等を学んだ卒後教育だけのものではなく、6年制学部での卒前教育における毒性学の教育も重要であり、また中学高校で理科生物学を学び大学に入ってくる学生に生物学の延長線上にある毒性学の立ち位置から、比較生理生化学、比較内分泌学など、比較生物学的な見地を基盤として生物学(動物学)、解剖生理学という基礎学問と深い関連性を持つものであります。

来年横浜で開催されます次期学術年会長が、動物学会や生理学会を協賛学会にお加えになったことは、上記の点の重要性に基づいているものと存じます。

つまり毒性学の今後の展開を考えた場合に、「生物学の一分野でもある毒性学」であるべきであり、学部での教育、あるいはその前段階の中等教育(中学高校理科)との関連の中での毒性学の存在を意識し、今後日本学術会議が進める学会や研究分野の枠を超えたプロジェクトに学会として参加してゆくためにも、年間5万円の会費を払ってでも生科連に加盟することが有益ではないかと考えます。

大変長くなりましたが、先述のHP記載の「毒性学は基礎科学と応用科学を活用する多様性に富む、学際的な科学である」を示すためにも、生科連への加盟を企画戦略小委員会にてご検討を頂ければと思います。

よろしくお願い申し上げます。

日本毒性学会理事
A 拝

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委員長のM先生からは、2つの議題両方をこの日の小委員会で紹介したいと言って頂き、心より感謝致します。

そして、当日の第1回企画戦略小委員会、2つの話題を私が説明する時間を頂きました。結局最後の20分近くは2つの話題のことで進めて頂きました。

私自身は上記の提案がすぐに賛同を得て、実現するとは思っておりませんが、学会としての方向性は間違ってはいないのではないかと自負しております。
初めて理事になって初めて委員会に参加してきた新参者が、初回からいきなり提案を行って来ることに、学会としてどのような対応がなされるのか?

「人は刺激を与えてみないことにはその本質を理解できない」がポリシーの私、果たしてどれだけの化学反応?が起こるのか、私の新しい場所での実験が始まりました。

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