刀伊の入寇-平安時代、最大の対外危機(116)

【著者】
関 幸彦 (著)

【出版社】
中公新書

【内容】
異賊来襲
平安武者は 未知の敵を前に どう戦ったのか

藤原道長が栄華を極めていた時代、対馬・壱岐と北九州沿岸が突如、外敵に襲われた。千年前の日本が直面した危機を検証する。

【一言書評】
日本の海防問題と言えば13世紀の元寇と幕末の黒船来航は誰もが知っているが、元寇から遡ること2世紀前の11世紀、まさに藤原道長が権勢を誇った平安時代に「刀伊の入寇」と呼ばれる女真族の来襲があり、さらに遡ること2世紀前の9世紀には新羅海賊問題があったことを本書を読んで初めて知ったのであるが、基本的に閉鎖的で保守的な一般的日本人の「鎖国体質」の根源はこれまでの長い歴史の積み重ねの結果なのではないかと思い至るきっかけを与えてくれるとともに、著者の言う「海を介して訪れる外的インパクトを宿命として背負った我が国」では、一般的日本人が避けて通りたい(見ないでいたい)外交をベースにした国の運営方針決定を行わずに国を守れないことを痛感する内容でした。

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