消えゆく日本の「私の南仏」追憶:日帰り旅

異能塾blog読者の皆様、お久しぶりです。最近になってここを知り読者になられた皆様、初めまして!
ここでは読者は「塾生」と呼ばれることになりますが(笑)、捄国(ふさのくに)異能塾 塾長です。

ここ「今日の塾長」のコーナーは、本当は「毎日」その日にあったことをメモ程度に記載しよう、ということで始めたのですが、とてもとてもメモ程度にでも書くことが出来ず、それはいろんな意味でですが(笑)、ほぼ不定期配信になってしまい申し訳ありません。
開設当初はここがウリだったのですがね(汗)

ということで、このコーナーらしい投稿は物凄い久しぶりになります。
11/30~12/3、パシフィコ横浜で私が開催しました第96回日本薬理学会年会、本当に疲れました。
残念ながらコロナパンデミックのために中止となった第93回年会長の横浜市大 五嶋先生と以前お話をした際に、まあ、突然中止になり無くなってしまったということもあるのでしょうが、「喪失感」に捉われたよ、とのことでしたので、私もそうなるかと思いましたが。心身ともに疲弊した感じの「虚脱感」に捉われた感じです。お金の心配なく、PCO(会議運営会社)に丸投げできる臨床医学系とは異なり、財政的基盤の弱さゆえ、何から何まで自分でやらないといけない(まあ私の場合は自分でやりたかったわけでもありますが、苦笑)基礎医学系の学術集会は、心身ともに健康でないと会長は務まらないですね、カラダ壊しますね(笑)

ということで、家内の仕事が休みだということで、昨日12/22(木)、私も年休をとって(カラダは分かりませんが)ココロをいやす日帰り旅へと出かけてきました。

前回このコーナーでUPした記事

寄稿文「海外留学の意義:”Road to France 1999” 理想と現実」紹介

に関連しますが、南仏留学から帰国後、簡単には行けない南仏を思い出す場所、というのが日本にいくつかあり、その一つは私が「日本のコート・ダジュール」と呼ぶ、安西家先祖代々の地、南房総があります。

他の場所の一つが、この日訪ねる箱根仙石原にある「星の王子さまミュージアム」です。
https://www.tbs.co.jp/l-prince/
ここは、サン=テグジュペリ生誕100年を祝した世界的記念事業の一環として作られた、『星の王子さま』をテーマにした世界で唯一のミュージアムで1999年6月29日にオープン。
「心地よい時間を過ごすことができる空間づくりのために、恵まれた自然環境を持ち、日本を代表する観光地の一つとして世界的に知られている、箱根の地を選びました。」ということで、箱根に出来たそうですが、南仏留学から戻った2001年からこれまで約20年間、箱根といえばここ、というくらい何度の訪ねるリピーターです。

なんと言ってもフランスを思わせる建物の外観、美しい庭園、そして「星の王子さま」の世界観に浸れる様々な仕掛け、が私(と家内)をフランスにトリップさせるに足るものであることが気に入った理由です。

その「星の王子さまミュージアム」が来年3月末で閉園になるというニュースを10月末にSNSで知りました。コロナ禍による来園者の減少や建物の老朽化がその理由だそうです。
20年ちょっとでやめるなら、最初からやるなよ!、と怒り心頭の私ですが(笑)、運営者である(株)TBSクロウディアの執行部が変わり、考え方も変われば、取り巻く環境も変化するので、何事も長く継続していく、ということは難しい世の中になりましたね。

そうとは知らず、実は今年10月の連休にも家族で「星の王子さまミュージアム」を訪ねており、そのことはまた年末年始の休暇の際にここに(書ければ)書くつもりですが、久しぶりに入った建物の中で、以前はずっと流れていた場面ごとの効果音が全く流れておらず、あれ、なんか気分盛り上がらないな、と感じていたので、今思うと、あ~、電気代の削減のためにやめていたのかな、なんて思い当たるものがあります。(正直レストランの料理も今ひとつでしたし)

何はともあれ、普段通り?朝6時には起きて、出かける準備。6:50には家を出てバスで吉祥寺へ。
そこから新宿に向かい、得意の小田急ロマンスカー!、ではなく、今回は直接「星の王子さまミュージアム」に行ける、小田急高速バスに乗るため、「バスタ新宿」へと向かいます。

新宿から「星の王子さまミュージアム」までは高速バスで2時間、とのことですので、10時の開園に合わせて到着できるように朝8時新宿発のバスを予約しました。
パスタ新宿には出発30分前に到着!ギリギリが多い私には上出来😁

コンビニでサンドイッチを買ってバスの到着を待ちます。発車10分前には入線してきたので、QRコードかざして乗車。
この日は朝から生憎の雨、晴れ男の私にしては珍しいのですが、これは閉園するミュージアムの別れの涙でしょうか(苦笑)

バスは定刻通りに出発。しかし早速の車内アナウンスでは海老名手前で17kmの渋滞とか!、やれやれ
と言うことで、サンドイッチを食べたらおやすみモード。結局渋滞抜けるのに30分ロスしました😭

その後も時間を回復することはなく続けて遅れ、ミュージアムのあるバス停川向には40分遅れでやっとのことで到着!

1時間見て、次の1時間後のバスで箱根園に向かうはずでしたが、これでは実質20分しかありません。
しかも今回のメインは、閉園前にミュージアムグッズを購入すること!、なので、ショップを見る時間も確保せねばなりません。さてさてどうしたものか、、、

実は車内でミュージアム入場券をオンラインで購入(1人200円引き!)してましたが、一回りしてしまうと時間かかるので、チケットブースの方に「ショップだけ見ること出来ませんか?」とダメ元で聞いてみることにしました。このダメ元でもガンガン聞くのはフランス仕込み😁

すると「ちょっと待って下さい」と言われ、数分待つと、ショップ単独入場カードを渡してくれて、「これでショップだけ入ることが出来ます!」とのこと。やった〜!、やはり言って見るものですね。
そこで本来は出口から特別に入ることが出来ました!

ここのミュージアムグッズは以前から欲しいものが多かったのですが、荷物になるので、いつもまた次に来た時に、と買わずにおりました。しかし閉園が決まり、もう買えなくなる可能性もあるので、箱根に来た記念に思い出のある欲しかったものを買いに行く、それが今回の大きな目的でしたので。

ちなみにちょうど今週からオンラインでのグッズ購入も停止になったので、今後はここに来ないと買えないのですよ!

ということで今回の戦利品(勿論自分で購入したものです)はこんなところです。
ぞう&ウワバミのぬいぐるみは私が欲しかったもの!
とりあえず今回使わなかった入場券がまだありますので、年明けにもう1回来る予定です。

20分もかからずに買い物を終え、再び川向のバス停へ。朝からの雨も随分止んできました。
ここから仙石高原を通って芦ノ湖のほとり、桃源台に向かいます。箱根登山バスは10-15分に1本ありますので、さすがは有名観光地!ほどなく桃源台に到着します。

しかし本当の目的地は箱根園ですので、芦ノ湖の海賊船を眺めながら桃源台から10分近く歩いて、湖尻に向かいます。ここのバスは伊豆箱根バス。こちらは30分に1本なので、運が悪ければ30分待ちですが、運良く10分待ちで済みました。以前ならここから遊覧船(海賊船ではありません)で湖尻から箱根園に行けるのですが、コロナでお客さんが減ったためか、ずっと運休なのです。30分に1本のバスではちょっと不便なんですがね。

そしてバスは箱根園に到着! ここにくると辺り一面霧に覆われ、芦ノ湖の湖面すら見えない状況に! 「あれ、予報では昼から晴れのはずだったのにな、、、」

まあ、山の天気は変わりやすいので、そんな時はメシでも食って時間を潰して待とうかね、ということで、和風レストラン「ななかまど」に入り、料理長おすすめ期間限定の「箱根山麓豚のピリ辛鍋御膳」を頂くことに!
車で来ていないので、私は昼からビール! 平日の昼に飲むビールはうまいですね〜〜、って一応年休なのでね😁

食事が終わった時には霧も晴れ、曇空ながら芦ノ湖の湖面が姿を現しました。
息子がまだ小さかった頃、ここ芦ノ湖畔の砂地で砂のダムを作ったりして、湖の水を流して遊んだ理したものですが、あれはもう遠い昔のことですね。

前回は駒ヶ岳ロープウェイに乗らなかったので、今回は乗って山頂から雪をかぶった富士山を見よう!、と思っていたのですが、今ひとつ空が曇っていて富士山が見えません。

そこで箱根園を出て次の目的地の箱根神社に向かうべく、元箱根行きのバスに乗ろうとしたその時、なんと駒ヶ岳周辺に青空が! あれ〜、これなら行けるかね、と思ったのも束の間、駒ヶ岳山頂が再び雲に覆われ、やはり無理かと断念。大人しく元箱根に向かいました。

元箱根のバス停で降り、この日3つ目の目的地、箱根神社に向い歩きます。風が冷たく感じるこの日、箱根神社の大鳥居周辺も午後2時というのに霧に覆われています。ここに来る時はいつも晴れているイメージだったのですが、少し幻想的です。

埼玉秩父の最強パワースポットである『三峯神社』では霧が出るのは、御眷属(神さまの使い)のお犬さま(狼さん)が歓迎してくれている証(あかし)だと言われていますが、関東の西部に広がる秩父多摩甲斐国立公園から丹沢を経て富士箱根伊豆国立公園へと山並みは連なってますから、意味合いは同じかもしれません。

とはいえ、ここ箱根神社は富士山からあふれ出る”龍脈”が流れているパワースポット”箱根”で最もエネルギーが集まる場所だそうで、奈良時代初期、天平宝字元年(757年)万巻上人が、現在の地に里宮を建てたのが、現在の箱根神社で、坂上田村麻呂、源頼朝から北条氏、足利氏、後北条氏、そして徳川家康と名だたる武将たちの信仰を集めています。

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に触発された訳ではありませんが、先日の薬理学会年会という私にとっての「大戦」が成功裏に終わり、その感謝と今後のさらなる飛躍を願い訪ねました。

秩父三峰神社、武蔵御嶽神社、そしてここ箱根神社は何度も来ておりますが、参拝の旅に背筋が伸びるという感じで、自分がこの世に生まれてきた使命を果たす、そのことを思い出させてくれる場所です。

参拝を終え、雨は止んだものの相変わらずの曇り空のもと、寒々とした芦ノ湖畔に沿って、いよいよ帰路に着くべく、再び元箱根に戻ります。今度は元箱根港から箱根登山バスに乗り、箱根湯本駅を目指します。幸いなことに、箱根新道経由の箱根湯本直行急行バスが出るというので、それに乗ることに。

元箱根港を出発し、続いて箱根町を通過すると、バスはノンストップで箱根湯本を目指します!

箱根新道を通って山を降りてゆくと目の前に広がってきたのは青空!
向こうには青い相模湾が見えます。
え〜、なんで終わりになって晴れるの〜〜!、と思わず言ってしまいましたが、霧の芦ノ湖畔を今回訪ねたことはきっと意味のあることなのでしょう。

箱根湯本ではお土産物屋さんをぶらぶらと周り、定番の温泉まんじゅうを購入し、駅に戻ります。
いい時間のロマンスカーも無い上、私たちの停車駅の成城学園前に停車するロマンスカーは湯本からは無いので、小田原まで各停で行き、そこから急行で成城学園前を目指すことにしました。
これが結構長いのですが、久しぶりに1万歩以上歩いたためか、帰りの急行の中では老夫婦二人で爆睡(汗)、いや、本当に年齢を感じるようになりました。

最初は息子が中高6年間通った思い出の成城学園前駅で何か食べて帰ろうか、と言ってましたが、寝起きでは食欲もわかず、まずはそこからバスで仙川駅に戻ることに。

仙川駅入口から駅に向かう通りを歩くと次第にお腹も空いてきたので、仙川駅ロータリー前にある3階建建物の2階に出来た(この建物はお店が結構入れ変わるので新しい店かと思います)カフェ「センガワポワール」に入ることに。入口前にあった看板の「クラフトビール飲み比べ」に魅かれてしまいました(笑)

アヒージョにカルボナーラ、ローストポークなどとともに飲み比べを行い、469がいいかなって感じなので、それを1杯注文!

食べ終わると仙川駅の啓文堂書店で雑誌を購入して、今度は吉祥寺駅行きのバスに乗ります。
新川のバス停で降りて、歩けばいよいよ我が家。
果たして一体何回バスに乗ったかね?、と思い出せないまま帰宅。
1日でしたが、なんだかいろいろやってきた日帰り箱根旅でした。

メニュー