第54回日本毒性学会学術年会 年会長のご挨拶

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この度、第54回日本毒性学会学術年会の年会長を拝命致しました、千葉大学/獨協医科大学の安西でございます。本学術年会の開催に当り、一言ご挨拶をさせて頂きたく存じます。

私は千葉大学医学部を1990年に卒業後、臨床医学の消化器・腎臓内科から1995年に基礎医学の生理学の道に進みました。1999年からフランスCNRSの分子細胞薬理学研究所に留学したことを機会に薬理学の道へと進み、2001年に当時遠藤仁先生の主宰された杏林大学医学部薬理学教室に所属させて頂くこととなりました。

2003年に遠藤先生の勧めがあり日本トキシコロジー学会に入会し、以後、毒性学研究にも従事することとなりました。その後、評議員となり学会活動を継続して参りました。2022年12月に私が年会長としてJPW2022/第96回日本薬理学会年会をパシフィコ横浜にて開催する機会を頂き、そこで国立衛研毒性部におられた北嶋聡先生にプログラム委員を依頼したことがきっかけとなり、同じ昭和40年生まれで薬理学をベースとした研究をおこなっていることから意気投合し、その半年後の2023年6月、同じパシフィコ横浜で北嶋先生が開催される第50回日本毒性学会学術年会の企画委員を依頼され、相互の学会の活性化、特に薬理学会―毒性学会連携を深めるべく、私が第50回年会の広報活動も担当したことが縁で、2022年からは本学会理事を拝命し、学会運営にもコミットする機会を得ました。こうした経緯を踏まえ、今回この名誉ある年会長を拝命するに至ったものと推察しております。

今回の年会は、私の恩師である遠藤仁先生が主宰された第27回年会から数えてちょうどその倍となる54回にあたりますことに、不思議な縁を感じております。さらに、遠藤先生の恩師である酒井文徳先生が主宰された第1回毒作用研究会まで遡りますと、約27年ごとに医学部薬理学研究者が本学会を開催していることとなり、いやがうえにも複合科学であるMedical Scienceとしての毒性学を強く意識せざるを得ません。折しも10年前、筑波大学医学医療系環境生物学教授の熊谷嘉人先生が主宰された第44回学術年会では、現在の本学会の基本戦略とも言える「学問領域を超えた毒性学」が明確に打ち出されました。そのスピリットを今一度リマインドすべく、今回の年会のテーマを「トランスボーダー再び:学問領域を超えた毒性学」とさせて頂きました。

第44回学術年会長挨拶にある「元来、毒性学は農学、基礎および臨床医学、薬学、安全性評価科学等を包含した学際性豊かな社会と密接した異分野融合領域として知られています。それ故、関連研究分野の最新情報や新しい技術等を迅速に取り入れることは、毒性学のさらなる発展にとても重要と存じます」という熊谷先生のお言葉は、今も変わらぬものであり、本年会でもコンセプトとさせて頂きます。

尚、今回も前回第53回年会に続き、若手研究者の皆様に積極的にご参加頂けるよう、学部生、大学院生、中高生、初期研修医の方々の参加費は「無料」とさせて頂きます(参加登録は必要)ので、ご教室の若手の方々をお誘い頂き、活気溢れる学会にして頂ければと思います。

世界遺産の日光を抱く北関東の最大都市宇都宮で本学術年会が開催されるのは初めてとのこと。2011年、私が獨協医科大学主任教授に就任し教授としてのキャリアをスタートさせ今も特任教授として勤務する思い入れのある地、ここ栃木県で本年会を開催し、皆様をお迎え出来ますことは望外の喜びであります。サイエンスはもちろん「餃子のまち、カクテルのまち、ジャズのまち」だけでなく、「自転車のまち、農業のまち、ものづくりのまち、スポーツのまち」でもあり多彩な魅力に溢れる街での時間を楽しんで頂ければ幸いです。

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